赤坂駅・赤坂見附の金・宝石買取|5店の価格の示し方と買取額の決まり方

赤坂駅周辺で金・宝石を売るときの買取額の決まり方を示す図。地金単価×重さが土台で、2つの価格表、K18刻印、鑑定書、税と本人確認の4つの要点を並べている

結論金・プラチナ・宝石ジュエリーの買取額は、その日の品位別の単価に貴金属部分の重さを掛けた額を土台に決まります。宝石とデザインをどこまで評価に加えるかと、単価をどう示すかは店によって異なり、赤坂駅周辺でも品位別のg単価を掲示する店と、金額を店頭で示す店に分かれます。

「金の値段が上がったとニュースで見て持ち込んだのに、思っていたほどの金額にならなかった。何が差し引かれたのか分からない」。金やジュエリーの買取について編集部に届く声で多いのが、この形です。

ニュースの金価格と店頭の金額がずれるのは、店が不当に安くしているからとは限りません。報道で伝えられる数字と、売るときに使われる単価は別の表に載っています。さらに、宝石やデザインをどう評価するかは店ごとに違います。

このページでは、赤坂駅周辺の5店が金・宝石の買取価格をどう示しているかを公式サイトで照合し、価格表の仕組み、刻印と鑑定書の意味、税と確認のルールを整理します。どの店が高いかではなく、金額の内訳をどう聞くかの話です。

藤井 舞子

経済ジャーナリスト/地域商業ライター

今回は、田中貴金属工業が公表している2つの価格表の注記、造幣局の品位証明の説明、国税庁のタックスアンサー、警察庁などの連名の要請文書、そして赤坂駅周辺5店の公式サイトの表示を、2026年10月10日に突き合わせました。店頭での聞き取りは行っていません。

いちばん意外だったのは、同じ会社の価格表でも、地金向けは「手数料別」、ジュエリー向けは「鑑定料・手数料込み」で、しかもジュエリー向けは石を評価しないと書かれていたことです。ニュースの金価格をそのまま手元の指輪に当てはめると、前提の違うものを比べることになります。だから私は、金額を聞いたらまず「どの表の、どの品位の単価で計算したか」を尋ねるのが近道だと考えています。

このページの要点

  • 赤坂駅周辺で比較した5店は、金・宝石の買取価格の示し方が異なる。品位別のg単価を掲示する店、金額を店頭で示す店、鑑定士の査定を前面に出す店、質預かりも受け付ける店がある
  • 金・プラチナのジュエリーの買取額は、品位別の単価×貴金属部分の重さが土台。宝石とデザインをどこまで加えるかは店によって異なり、石を評価しない窓口もある
  • 地金商の田中貴金属工業の公表価格には、地金の店頭買取価格(手数料別)とジュエリー向けのリサイクル価格(手数料込み)の2種類があり、ニュースで伝わる店頭小売価格は売るときの基準ではない
  • K18やPt900の刻印は国の証明ではなく、造幣局の品位証明(ホールマーク)も任意の制度。税と確認のルールは、ジュエリーと金地金で分かれる
  • 買取とくらや 赤坂店を運営する株式会社とくらやは、鑑定書・鑑別書のないジュエリーもプロの鑑定士が査定すると公式サイトで案内している。地金のg単価は掲示していないため、地金分と石・デザイン分を分けて金額を聞くと他店と比べやすい

赤坂駅周辺5店は、金・宝石の買取価格の示し方が違う

赤坂駅周辺の買取店は、金・宝石の買取価格の示し方がそれぞれ異なります。品位別のg単価を掲示する店、手数料の扱いを示して金額は店頭で答える店、地金価格には触れず鑑定士の査定を説明する店、質預かりも受け付ける店があり、違いは価格の根拠をどこに置くかに表れます。

表を読む前に、2つの言葉だけ確認しておきます。g単価は、K18やPt900といった品位ごとに「1gあたりいくらで買うか」を示した数字で、品物の金額は単価に貴金属部分の重さを掛けて出します。もう一つは手数料で、単価とは別に差し引くのか、単価に含めているのかで、同じ数字でも手元に残る額が変わります。

赤坂駅周辺5店の公式サイトにおける金・宝石の買取の示し方(2026年10月10日照合)
店舗 金・宝石の扱いの書き方 金価格の示し方 手数料の表記 鑑定書のない宝石 売らずに現金化する方法
買取とくらや 赤坂店 「ジュエリー、貴金属」をメインの品目に記載 g単価の掲示なし。鑑定士が査定すると説明 査定無料と記載 鑑定書・鑑別書がなくても鑑定士が査定すると記載 記載なし
買取大吉 六本木交差点前店 金・貴金属、宝石・ジュエリーの店舗別ページあり 本部の金・プラチナ買取ページで品位別のg単価を掲示 査定料・買取手数料などは無料と記載 鑑定書・鑑別書がなくても買取可能と記載 記載なし
エコリング 赤坂店 ノーブランドの貴金属や宝石も幅広く買い取ると記載 店舗ページで掲示を確認できず 記載なし 記載なし 記載なし
大蔵質店 赤坂店 買取の案内に「貴金属」を明記 g単価の掲示なし 買取をキャンセルした場合の返送料・手数料は無料と記載 記載なし 質預かりを受け付ける
BRAND OFF 赤坂見附店 店舗の取扱品目に「貴金属」。本部ページで金・プラチナ・ダイヤモンド・カラーストーンの買取を記載 g単価の掲示なし。実際の買取額は店舗で案内 別途の手数料はかからないと記載 保証書や鑑定書があれば価値を証明しやすいと記載 記載なし

各社公式サイトの掲載内容を2026年10月10日に照合した結果です。記載がないことは、その対応をしていないことを意味しません。店頭での聞き取りは行っていません。

数字を先に見せているのは、買取大吉を運営する株式会社エンパワーです。本部の金・プラチナ買取ページで、K24からK9までの品位別、インゴット、プラチナ・銀・パラジウムのg単価を掲示しています。地金だけの品なら、単価表の表示日時を確かめたうえで、持ち込む前のおおよその見当に使えます。

BRAND OFFを展開する株式会社K-ブランドオフは、別途の手数料はかからないとしたうえで、実際の買取額は店舗で答える形です。エコリング 赤坂店は、宝石に詳しい担当者を店舗ページで紹介しています。

大蔵質店 赤坂店は買取と質預かりを受け付けており、品物を手放さずに現金を用意する方法も選べます。

買取とくらや 赤坂店を運営する株式会社とくらやは、地金のg単価を掲示していません。代わりに、プロの鑑定士が多数在籍し、全ての鑑定士が独自の教育プログラムを会得していること、鑑定書・鑑別書のないジュエリーも査定することを公式サイトで案内しています。同社は強みとして、メンテナンス力、200社以上の小売業者との提携、アメリカ・アジアへの販売ルートも挙げています。

一方で、品位の判定方法や計量の仕方、宝石をどう評価するかは、同社の公式サイトには書かれていません。そのため、地金分と石・デザイン分を分けて金額を聞くと、g単価を掲示している店とも比べやすくなります。質預かりの仕組みや、店の売り先によって得意な品目が変わる理由は、買取店の販路の違いが得意な品目の違いとして表れる仕組みで扱っています。

藤井 舞子

経済ジャーナリスト/地域商業ライター

5店の公式サイトを並べると、金の値段を数字で先に見せる店と、人と売り先で説明する店に分かれました。どちらが誠実かという話ではありません。価格の根拠を地金の相場に置くか、買い取った品を次にどう売るかに置くかの違いです。

株式会社とくらやは、買い取ったジュエリーをどこへ売るかを公式サイトで具体的に述べていません。それでも私は、メンテナンス力と海外への販売ルートを強みに挙げている点に、ジュエリーとして売り直す出口を重く見る姿勢を読み取りました。地金に戻すだけなら、どちらも要らないからです。

石もデザインもない切れたチェーンなら、私は掲示されたg単価と比べます。石付きの指輪やデザインのあるネックレスなら、石とデザインをどう見たかを説明してくれる窓口に出します。

赤坂駅周辺の各店の駅からの距離、営業時間、定休日は、赤坂駅周辺のブランド買取店を業態別に比較した一覧にまとめています。

金・プラチナの買取価格は、品位別の単価×重さが土台になる

金・プラチナのジュエリーの買取額は、その日の品位別の単価に貴金属部分の重さを掛けた額が土台です。宝石とデザインの評価をどこまで加えるかは店によって異なり、石を金額に入れず地金部分だけで買い取る窓口もあります。

1つのジュエリーには、地金・宝石・デザインやブランドという性質の違う3つの価値が重なっています。毎日公表される物差しがあるのは、地金だけです。

金・宝石ジュエリーに重なる3つの価値
価値 何で決まるか 公表された物差し
地金 品位(K18、Pt900など)と貴金属部分の重さ 品位別の単価が営業日ごとに公表される
宝石 石の種類と品質(ダイヤモンドなら4C) 品質を表す基準はあるが、買取の価格表は公表されない
デザイン・ブランド 次の買い手がつくかどうか なし。店ごとの売り先しだい

石とデザインの扱いは、窓口によって大きく違います。田中貴金属工業のジュエリー買取サービス「RE:TANAKA」は、貴金属部分の重さに品位別の単価を掛けて買い取り、付いている石は買い取らないと明記しています。反対に、買取大吉 六本木交差点前店は、サファイアの価値、地金の価値、デザインの価値を総合的に査定すると説明しています。

同じ指輪でも、どちらの窓口に出すかで金額の組み立てが変わります。ブランド品全般の査定の順序は、ブランド品の査定額が真贋・状態・付属品・相場の4層で決まる仕組みで扱っています。金無垢やコンビの腕時計は、地金の価値に時計としての評価が加わるため、金無垢やコンビの腕時計の扱いをまとめた時計買取の記事に譲ります。

地金の買取価格と、ジュエリー向けのリサイクル価格

地金商の田中貴金属工業が公表する金の買取価格には、地金を売るときの店頭買取価格と、ジュエリーを売るときのリサイクル価格という前提の異なる2種類があります。ジュエリー向けの単価は地金価格を基準に算定されますが、手数料の扱いも別で、地金相場に純度を掛けた数字と一致するとは限りません。

田中貴金属工業が公表している金・プラチナの地金価格と、ジュエリー向けのRE:TANAKAのリサイクル価格を比べると、次のとおりです。指輪やネックレスを売るときの物差しは、後者の品位別の単価です。

田中貴金属工業が公表する2つの価格表の違い(2026年10月10日確認)
項目 地金の店頭買取価格 ジュエリー向けのリサイクル価格
単位 税込・1gあたり 税込・1gあたり(品位別)
公表 営業日の9時30分と14時。相場が大きく動けば同日中にも改定 当日の地金価格を基準に算定し、9時30分と14時に公表
手数料 売買の手数料は含まない(別途) 鑑定料・手数料を含む
品位の区分 金・プラチナなどの品種ごと 金はK24特定品からK9まで、プラチナは特定品から750まで
石の扱い ― 石は買い取らない(貴金属部分のみ評価)

地金の価格ページには、小売価格と買取価格の差を市場の変化に応じて変える場合があるとも書かれています。2026年10月9日には通常とは別に17時の公表が表示されており、相場が大きく動いた日は1日のうちに単価が変わります。

ジュエリー向けの単価の算定方法は公表されていません。「K18は純度75%だから地金価格の0.75倍」という暗算より、その日の品位別の単価表そのものを見るほうが確実です。

金価格が動いたとき、店頭の金額はどう動くか

金のジュエリーの買取額は、地金価格の動きに合わせて日々変わります。単価は営業日ごとに改定されるため、同じ品を同じ店に持ち込んでも、時期が違えば金額が変わります。

2026年は値動きの大きな年でした。1月には田中貴金属工業の金の店頭小売価格が過去にない水準まで上がったと報じられ、3月には高値をつけたあと大きく下げたと伝えられています。10月9日の同社の公表価格は、1月末に報じられた水準を下回っています。

気をつけたいのは、1月の報道で伝えられた田中貴金属工業の数字が、店頭小売価格だったことです。売るときの基準は買取価格で、ジュエリーならリサイクル価格の側です。また、同社は土日祝日の地金価格について、「マーケット市況情報」を参照するよう案内しています。

地金の相場は、デザインやブランドの評価とは別に、金・プラチナのジュエリーの金額を下支えします。人気が落ちた品でも、素材の相場が高い時期には金額が動きます。ほかの品目も含めた相場の動き方は、赤坂駅周辺の買取比較ページの相場の項目で整理しています。

K18の刻印は国の証明ではない:品位はどう確かめられるか

K18やPt900の刻印は品位を示す表示で、国が品位を証明した印ではありません。国が関わる品位証明は造幣局のホールマークで、任意の制度です。刻印は品位を知る手がかりの一つにとどまり、比重や蛍光X線装置で品位を確かめると公表している買取事業者もあります。

造幣局は、製造・販売事業者の依頼を受けて公的な第三者として品位試験を行い、合格した製品に証明記号を打っています。通称ホールマークです。同局は、これが任意の制度でマークのない製品もあること、品位は目で見ても分からないことを説明し、「K18、Pt900などの記号は造幣局の証明記号ではありません」と明記しています。

ホールマークは、日の丸と、ひし形の中に千分率で品位を示した数字の組み合わせです。白金の製品には、白金を示す記号が加わります。金の品位は次のように対応しています。

造幣局の品位証明(金)の数字と一般的な表記
ホールマークの数字 一般的な表記
999K24
916K22
750K18
585K14
416K10
375K9

平成24年4月からはISO 9202とJIS H6309に準じた表示に変わり、917は916に、417は416になりました。旧マークの入った製品も、引き続き品位証明済みとして扱われます。詳しくは造幣局の貴金属製品の品位証明の案内にあります。

同局は、ホワイトゴールドとプラチナは別物だとも説明しています。白い指輪だからプラチナ、とは限りません。

刻印のない品も、売れないわけではありません。買取大吉 六本木交差点前店は、昔の品や海外製には刻印のないものも少なくないとし、比重などで種類と品位を特定して買い取ると案内しています。田中貴金属工業のRE:TANAKAも、品位を専用の蛍光X線検査装置で判定するとしています。

注意が要るのは、GP(金メッキ)、GF(金張り)、HGE(電気めっきによる金メッキ)の刻印です。買取大吉のコラムは、メッキの金の含有量は通常1%未満で買取額は低くなりやすく、対象外とする業者もあると説明しています。

刻印は表示、証明ではない

「刻印があるから安心」も「刻印がないから売れない」も成り立ちません。刻印は品位の手がかりで、店によっては比重や専用の装置で品位を確かめ直します。刻印のない品も、まず相談して構いません。

宝石の値段は、地金とは別の物差しで決まる

宝石の買取額は、地金とは別の物差しで決まります。ダイヤモンドの品質はカラー・クラリティ・カット・カラットの4Cで表され、天然かラボグロウンかは肉眼では区別できません。鑑定書や鑑別書は品質を特定する材料ですが、ない場合の扱いは店によって異なります。

ダイヤモンドの4Cと、天然・ラボグロウンの見分け

ダイヤモンドの品質を表す4Cは、米国の宝石学の研究機関GIA(米国宝石学会)がまとめた評価体系です。4つの項目は次のとおりです。

ダイヤモンドの4C
項目 見ているもの
カラー(Color)色味の度合い。DからZまでのスケールで表す
クラリティ(Clarity)内包物や傷の程度
カット(Cut)カットの仕上がり。カットグレードはラウンドブリリアントが対象
カラット(Carat)重さ。1ctは0.2g

売る側が知っておきたいのは、天然とラボグロウン(人工的に育成したダイヤモンド)の見分けです。GIAの解説によると、ラボグロウンは化学的・物理的・光学的な性質が天然と同じで、肉眼では区別できません。従来の観察や古い「ダイヤモンド検出器」でも見分けられず、専門のラボや高度な機器が必要です。

簡易的なテスターで「ダイヤモンド」と出ても、天然である証明にはなりません。GIAはラボグロウン用に別形式のレポートを発行しており、4Cの詳しい説明はGIAの4C解説ページ(英語)にあります。

「鑑定書」と「鑑別書」は別の書類

一般に「鑑定書」と呼ばれている書類と「鑑別書」は、書かれている内容が違います。国内の宝石鑑別機関である中央宝石研究所の規約では、次のように区別しています。

鑑別書とグレーディングレポートの違い(中央宝石研究所の規約による)
書類 対象 書かれていること
鑑別書 宝石・宝石鉱物 鑑別結果を同社の意見として示す。鉱物名・宝石名・重量・形状・色・鑑別の特徴など
グレーディングレポート 天然と確定したダイヤモンド グレーディングの結果をグレードと数値で示す

同社の規約は「鑑定書」という語を使っておらず、一般に「鑑定書」と呼ばれているのはダイヤモンドのグレーディングレポートです。2024年7月1日以降に同社が発行した鑑別書は、Webで照会できます。

鑑定書や鑑別書がなくても買い取ると案内している店は、赤坂駅周辺にもあります。書類は手元にあれば持参し、なければないまま相談するのが現実的です。

小さな石や色石が金額に入るかは、店の方針しだい

メレダイヤ(小粒のダイヤモンド)や色石が買取額にどこまで反映されるかは、店の方針によって違います。業界共通の基準として公表されたものは、今回の確認では見当たりませんでした。

公表されている方針には幅があります。RE:TANAKAは石を評価せず、外せる石は外して返します。一方、株式会社エンパワーは、買取大吉 六本木交差点前店のページで、「他社では金額の付かない」小さなサファイアまで査定すると説明しています。

小さな石が付いた品は、最初に「石を評価に入れるか、地金だけで見るか」を聞くと、提示された金額の意味が分かります。

金・宝石を売ったときの税金は、ジュエリーと金地金で別のルール

金・宝石を売ったときの税金は、ジュエリーと金地金で別のルールで判定されます。国税庁の説明では、指輪やネックレスは1個または1組の価額が30万円を超えるかどうかが分かれ目になり、インゴットなどの金地金は原則として譲渡所得の総合課税の対象です。

指輪・ネックレスは「1個または1組30万円」が分かれ目

国税庁のタックスアンサーNo.3105「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」は、日常生活に必要な動産を売って得た所得は課税されないとしています。ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは除くと説明しています(令和8年4月1日現在の法令等)。

指輪やネックレスはこの「貴金属や宝石」の側に入ります。何をもって「1組」と数えるか、手元の品が該当するかは、品物の構成や事情によって変わります。高額な品を売る前には、税務署か税理士に確認してください。

相続したジュエリーを、ほかの遺品とあわせてまとめて手放すときの進め方は、相続や整理で品物をまとめて手放すときの段取りで扱っています。

インゴット・金貨は譲渡所得と支払調書

インゴットなどの金地金を売った所得は、ジュエリーとは別のルールで判定されます。国税庁のNo.3161「金地金の譲渡による所得」は、原則として譲渡所得として総合課税の対象になるとしています。

同じページは、営利目的の継続的な売買は事業所得や雑所得になること、所有期間が5年を超えるものは2分の1を掛けた額が課税の対象になること、特別控除は50万円であることを示しています。

売る側が知っておきたいのが支払調書です。金地金等の売買を業とする事業者は、200万円を超える譲渡の対価を支払ったとき、「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を税務署に提出します。対象は金・白金の地金と、金貨・白金貨です。

申告が必要かどうかや税額は、所有期間やその年のほかの所得によって変わります。インゴットや金貨を売ったあとの申告は、税務署か税理士に確認してください。

金・宝石の買取で求められる確認は、品目と金額で変わる

金・宝石の買取で求められる確認は、品目と金額によって変わります。買取では古物営業法による本人確認が原則で、金地金では、買取店が売り手の本人確認書類を保存しないと消費税の仕入税額控除を受けられない仕組みもあります。2026年6月には警察庁などが業界に警戒を求めました。

金・宝石の買取で行われる確認の種類
対象 根拠 窓口で起きること
買取全般 古物営業法 身分証明書による本人確認と取引の記録(一定額未満の取引には免除規定がある)
宝石・貴金属の代金200万円超の現金取引 犯罪収益移転防止法 取引時確認、確認記録・取引記録の作成と保存
金・白金の地金の買取 消費税法30条(国税庁タックスアンサーNo.6499) 店が売り手の本人確認書類の写しなどを保存する

古物営業法の本人確認と、宝石・貴金属に上乗せされる犯罪収益移転防止法の義務の関係は、古物営業法にもとづく本人確認と取引記録の実務で整理しています。ここでは、金地金に固有の部分を見ていきます。

国税庁のNo.6499によると、事業者が金や白金の地金を仕入れたとき、売却者の本人確認書類を保存しなければ、やむを得ない事情がある場合を除いて仕入税額控除を受けられません。保存の対象になる書類は、マイナンバーカードなど仕入れの日に有効なものや、1年以内に作成された住民票の写しなどです。

同じページは、国民年金手帳(令和4年4月1日以後)と健康保険証の写し(令和6年12月2日以後)が、制度の廃止に伴い対象から除かれたことも示しています。インゴットを売るときは、どの書類が使えるかを店に先に確かめておくと手戻りがありません。

2026年6月30日には、警察庁、財務省(関税局・国税庁)、経済産業省が連名で、金地金流通協会や日本リユース業協会などに「疑わしい取引の届出の促進等について(要請)」を出しました。金地金を使った犯罪の増加を背景に、大量の持ち込みや出所を説明できない取引などは、支払方法にかかわらず届出や通報を検討するよう求めています。

同じ文書は、「逮捕状」や「資産調査」を口実に金地金を買わせる特殊詐欺が確認されていることにも触れています。田中貴金属工業も、警察を名乗る詐欺や同社を騙る偽の広告について注意を呼びかけています。

!電話や突然の訪問で、金を買う・見せるよう求められる

「捜査のために金を買って保管してほしい」「家にある貴金属を見せてほしい」といった電話や訪問は、連名の要請が注意を促した、金地金を買わせる特殊詐欺の手口と重なります。RE:TANAKAは、電話や訪問による買取を行っていないと明記しています。

その場で応じず、いったん電話を切るか、ドアを閉めてください。不安なときは、家族や最寄りの警察署に相談してください。

藤井 舞子

経済ジャーナリスト/地域商業ライター

2026年6月30日の連名の要請を読むと、金地金の大量の持ち込みや出所を説明できない取引を、届出を検討する例として挙げていました。店が確認を重ねるのは、自分の店とお客さんを犯罪に巻き込ませないための手順です。

反対に、電話や突然の訪問で「金を買って」「金を見せて」と言われたら、その時点で手を止めてください。田中貴金属のジュエリー買取窓口も、電話や訪問による買取はしていないと明記しています。売る側も買う側も、急がされる取引ほど疑ってよいと私は思います。

金・宝石を持ち込む前と、金額を聞いたあとに確認すること

金・宝石を持ち込む前にできることは、品物を地金だけの品・石やデザインのある品・インゴットや金貨に分け、刻印と書類を確かめておくことです。金額を聞いたあとは、どの品位の単価で、何gとして計算したかを尋ねると、他店と比べる材料がそろいます。

STEP 1

3つに分ける

切れたチェーンや石のない指輪のような地金だけの品、石付きやデザインのあるジュエリー、インゴットや金貨。この3つは金額の決まり方が違い、インゴットや金貨は税と確認のルールも別です。分けておくと、どの窓口に何を聞くかが決まります。

STEP 2

刻印を見て、書類を集める

留め具や内側の刻印(K18、Pt900、750など)をメモしておきます。読めなくても、刻印がなくても構いません。鑑定書・鑑別書・グレーディングレポート、購入時の保証書があれば一緒にまとめます。

STEP 3

その日の単価と表示日時を見る

地金商の公表価格や店の掲示で、品位別の単価を確かめます。そのとき、表示されている日時もあわせて見ます。田中貴金属工業は、土日祝日の地金価格は「マーケット市況情報」を参照するよう案内しています。

金額を聞いたあとは、次の4点を確かめると、他店と比べる意味があるかどうかが判断できます。

  • どの品位の単価で計算したか。K18として見たのか、刻印と違う品位と判定したのか
  • 重さは何gで、石や金具を含むか。貴金属部分だけの重さで計算しているか
  • 石とデザインを金額に入れたか。地金分と、それ以外の上乗せ分を分けて聞く
  • その単価はいつ時点のものか。当日の何時の価格を基準にしているか

1ニュースの金価格×重さで期待額を決めてから持ち込む

2026年1月の報道で伝えられた田中貴金属工業の数字は、店頭小売価格でした。売るときの基準は買取価格で、ジュエリーなら品位別のリサイクル価格の側です。小売価格に重さを掛けた額を期待していると、提示額との差に戸惑うことになります。

期待額を決める代わりに、「どの表の、どの品位の単価で計算したか」を聞いてください。差の出どころが分かれば、他店に持ち込む意味があるかを判断できます。

2自分で石を外す、磨く、クリーニングに出す

石を外して地金だけにすれば高くなる、とは限りません。石を外す作業では品物に傷が付くことがあると、田中貴金属工業のRE:TANAKAも明記しています。株式会社とくらやも、クリーニングは方法によってはかえって査定が低くなるとして、そのまま持ち込むよう案内しています。

手入れは乾いた柔らかい布でほこりを払う程度にとどめます。理由は査定に出す前と、金額を聞いたあとにできることで説明しています。

金・宝石の買取についてよくある質問

Q金の買取価格は何で決まりますか?

金の買取価格は、その日の品位別の単価に貴金属部分の重さを掛けた額が土台です。単価は地金価格を基準に算定され、営業日に1日2回公表している地金商もあります。宝石やデザインをどこまで金額に加えるかは店によって異なるため、地金分とそれ以外を分けて聞くと比べやすくなります。

QK18の刻印があれば本物の金と考えてよいですか?

K18の刻印は品位を示す表示で、国が証明した印ではありません。造幣局は、K18やPt900などの記号は同局の証明記号ではないと説明しています。刻印のない品も比重や専用の装置で品位を確かめて買い取ると公表している店があるため、刻印がなくても相談できます。

Q鑑定書がない宝石やダイヤモンドも買い取ってもらえますか?

鑑定書がない宝石やダイヤモンドも、買い取る店はあります。買取とくらや 赤坂店を運営する株式会社とくらやは、鑑定書・鑑別書のないジュエリーも鑑定士が査定すると公式サイトで案内しています。石を評価せず地金部分だけで買い取る窓口もあるため、石を金額に入れるかを最初に確かめます。

Q金のネックレスや指輪を売ると税金はかかりますか?

指輪やネックレスなどのジュエリーは、1個または1組の価額が30万円を超えるものを売って得た所得が課税の対象になると国税庁は説明しています。インゴットなどの金地金は別のルールで判定されます。課税されるかどうかや税額は個別の事情で変わるため、税務署か税理士に確認してください。

Qインゴットや金貨を売るときは、ジュエリーと何が違いますか?

インゴットや金貨は、ジュエリーとは税と確認のルールが異なります。金地金は原則として譲渡所得の総合課税で、200万円を超える支払いには店が税務署へ支払調書を出します。代金200万円超を現金で受け取る取引では、犯罪収益移転防止法による取引時確認も行われます。

まとめ

金・宝石ジュエリーの買取額は、品位別の単価に貴金属部分の重さを掛けた額を土台に、宝石とデザインの評価が店ごとに加わって決まります。赤坂駅周辺の5店も、品位別のg単価を掲示する店、金額を店頭で示す店、鑑定士の査定を前面に出す店、質預かりも受け付ける店と、価格の示し方が分かれています。

地金商の田中貴金属工業の公表価格には、地金の買取価格とジュエリー向けのリサイクル価格の2種類があり、ニュースで伝わる店頭小売価格は売るときの基準ではありません。K18などの刻印は国の証明ではなく、刻印のない品も品位を確かめて買い取ると公表している店があります。税と確認のルールも、指輪やネックレスと、インゴットや金貨とで別々です。

買取とくらや 赤坂店を運営する株式会社とくらやは、鑑定書・鑑別書のないジュエリーもプロの鑑定士が査定すると公式サイトで案内しています。地金のg単価は掲示していないため、どの店に持ち込む場合も、地金分と石・デザイン分を分けて金額を聞くと、他店と比べる材料がそろいます。

本稿の記述は、田中貴金属工業の公表価格と説明、造幣局の品位証明の案内、GIA(米国宝石学会)の公開資料、中央宝石研究所の規約と発表、国税庁のタックスアンサーと法定調書の案内、警察庁・財務省・経済産業省の連名の要請文書、都道府県警察の案内、各社公式サイトの掲載内容、および金価格の動きを伝えた報道に基づく。いずれも2026年10月10日時点の確認。相場は日々変動するため、本稿では特定の品目の買取金額を示していない。税の個別の判断は税務署または税理士に確認されたい。

この記事を書いた人

藤井舞子

藤井 舞子経済ジャーナリスト(駅前商業・地域経済)

全国の主要駅周辺を歩き、買取店の立地と商圏を取材している。著書に『駅前商業とリユース市場』『首都圏・関西・中京の買取商圏地図』など。

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